出産をきっかけに腰痛を発症してしまう方は非常に多いです。
そのなかで時折、歩けないほどの腰痛に見舞われ日常生活に大きな支障をきたしてしまうケースもあります。
産後の腰痛は育児を困難にさせてしまうため、いち早く解決しなければいけません。
そこでこの記事では、歩けないほど痛い産後の腰痛の原因と対策について詳しく解説していきます。
一刻も早く元の痛みのない生活に戻りたいと思っているママさんはぜひご覧ください。
歩けないほど腰が痛くなる原因
出産をきっかけに腰が痛くなってしまう理由は大きくわけて以下の4つがあります。
- 骨盤へのダメージ
- 育児疲れや睡眠不足
- 栄養失調
- 婦人科系の疾患
一つずつ解説していきます。
骨盤へのダメージ
出産を経験すると骨盤がダメージを受け、腰痛が発生することが多いです。
赤ちゃんが産道を通り抜ける際に、骨盤が大きく開き靭帯などが損傷してしまうためです。
場合によっては分娩時に骨盤底筋群を傷つけてしまい、産後に強い痛みを伴うだけでなく尿漏れを引き起こすこともあります。
出産後はしばらくの間入院をし、ママさんの回復を待つのですが、基本的に完全に回復するまでは数カ月かかることがほとんど。
そのため、骨盤周辺にダメージを負った状態で退院をするため、育児中の負担がかかりながら回復させていくことになるのです。
赤ちゃんの抱っこや授乳、その他家事などをこなす過程で骨盤周りの靭帯や筋肉、関節のダメージが蓄積されてしまい激痛になってしまうことも少なくありません。
つまり出産時の骨盤のダメージが積もり積もって歩けないほどの痛みになってしまうというわけです。
育児疲れや睡眠不足
育児がはじまると生活リズムが大きく変化し、疲労が蓄積したり、睡眠不足になってしまいます。
筋肉疲労をうまく取り除けないのはもちろん、自律神経も乱れがちになってしまうため腰痛は必然的に起こりやすくなるのです。
そこに先述した骨盤のダメージがある場合、腰痛になってしまう可能性が高くなるでしょう。
栄養失調
実は栄養失調でも腰痛は発生します。
ママさんは赤ちゃんを育るために自分の栄養を分け与えます。
たった一つの細胞から人間の形に成長させるまでにはものすごい量の栄養が必要になるため、出産を終えた後のママさんの体は栄養が不足している状態になってしまうのです。
実際に血液検査で体内の栄養素の状態を計測すると、その差は一目瞭然。体を構成する最も重要なタンパク質だけでなく、心の安定を保つための鉄などのミネラルが一気に失われます。
その影響で筋肉や靭帯、関節の回復が遅れるのは当然のことです。
骨盤コルセットもちゃんとしている、ゆっくり体も休めている…だけど腰痛がひどいと悩んでいるママさんは栄養が体に満ち足りていないからかもしれません。
想像以上に栄養と腰痛の間には関係があるので、一度疑ってみても良いでしょう。
婦人科系の疾患
『じっとしていても腰が痛い…』と悩んでいる場合、婦人科系の疾患が隠れているのかもしれません。
例えば子宮筋腫や子宮内膜症などが代表的です。
子宮筋腫とは、子宮にこぶのよう良性腫瘍ができてしまう疾患です。比較的多くみられる疾患であり、30~40代女性に多いと言われています。
筋腫が大きいと骨盤内を圧迫してしまうため腰痛として症状が現れることも。それ以外にも生理時の出血量の増加や生理痛の悪化などがよく見られます。
一方で子宮内膜症は、本来子宮の内側でできるはずの子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまう疾患を言います。
命に関わる病気ではありませんが、組織同士が癒着してしまうことによって強い生理痛を引き起こしたり、腰痛が発生したりすることもあります。
腰痛に伴って、生理の異常などがみられたら一度婦人科で検査することをおすすめします。
腰の痛みを軽減するための対策
腰の痛みを軽減するためにはまずはゆっくりと休憩する時間を作ることが必要です。
と、いっても育児をしながら体を休める時間を作るのはなかなか難しいでしょう。
そこでおすすめなのは、
- 骨盤コルセットを使用する
- 寝具を変えてみる
- タンパク質をしっかりとる
骨盤コルセットを使用することで腰にかかる負担を軽減することができるので、半ば強制的に腰を休めることができます。
また、寝具の硬さが合わないがために腰痛がうまく治らないというケースも多いです。自分に合ったベッドや枕に変えることで腰痛が軽減された方は意外と多いですよ。
最後は栄養面。
まずは人間の体の基本となるタンパク質を十分に摂取することが大切です。タンパク質や肉・魚・卵に多く含まれています。
『野菜でタンパク質を摂っているから大丈夫』という方も要注意です。植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べて、栄養の効率が悪いのでかなりの量を摂らないといけません。
なので、できるだけ動物性タンパク質を摂取しましょう。
まとめ
産後の歩けないほどの腰痛は日常生活に著しく支障を与えます。そのため、この記事に書いてあるセルフケアを実践してみましょう。
しかし、それでも症状が取れない場合は専門家に相談してみるのもおすすめです。
当院では産後に特化した治療を行っていますので、ぜひご相談ください。