産後のママさん達は、育児や家事で忙しく、自分の食事がおろそかになりがちです。
「母乳のためにも、食事は大事ってわかっているが、食事の栄養にまで手が回らない」という悩みの方にお勧めなのが、「プロテイン」です。
「プロテインって産後の母乳に悪いのでは?」と心配の声もありますが、プロテインは授乳中のママさんにお勧めの食品なのです。
その理由を専門家が解説します。
そもそもプロテインってなに?
「プロテイン」とは、「たんぱく質」のことです。
たんぱく質から、体を構成する筋肉や、内臓、髪、爪が作られます。
その他にも、傷ついた細胞を修復する、ホルモンバランスを保つ、免疫力を強くするためにも役立っています。
特に、産後は、2つの理由でたんぱく質をより多く摂取することが必要です。
1つ目は、出産でダメージを受けた体を正常な体に回復するために、たんぱく質を摂らなければいけません。
2つ目は、母乳を作るのにたんぱく質が使われるためです。
しかし、日本人のたんぱく質摂取量は、低い傾向にあります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、1日のたんぱく質摂取量は、女性では50gを推奨していますが、実際には、30~40gほどしか摂取できていないことが多いです。
なぜなら、食品からたんぱく質50gを摂取しようとすると、意識して食べないと「たんぱく質50g」は難しいのです。
そんな、「手軽にたんぱく質をしっかり摂りたい」という解決策に、プロテインがお役に立ちます。
プロテインが与える母乳への影響
プロテインは、母乳の生産性を上げる役割を果たしてくれます。
プロテインで「母乳への悪影響」を懸念する声も聞きますが、商品に記載された容量を守れば少ないでしょう。
母乳は母親の血液から作られています。
プロテインで不足しがちな、たんぱく質を補っておくと、母乳が作られやすくなのです。
厚生労働省の「妊娠・授乳中女性のたんぱく質推奨量」では、妊娠中や授乳中の女性は、体重×1g以上にたんぱく質が必要、と記載してあります。
妊娠中期から産後になると、たんぱく質量が1日70g摂取するのが望ましいです。
これを食品だけでまかなうのは大変ですね。
そんな時に、手軽に、たんぱく質不足を補えるのがプロテインです。
「プロテインって、添加物がいっぱい入ってそうで心配」という方は、添加物や人工甘味料が少ない女性向けのプロテインから飲み始めてみるのも良いでしょう。
プロテインは母乳に良いだけでなく、健康にもプラスの効果
プロテインは、健康面にもメリットがあります。
産後は、母乳を与えるために、たんぱく質、鉄分などの栄養素が不足になりがちです。
たんぱく質が不足すると、髪が抜ける、肌荒れ、免疫力の低下、精神的に不安定になりやすいなどの不調が発生します。
そんな不調の改善に一役買うのが、プロテインです。
プロテインで、たんぱく質不足を補うと、産後に多い、体の不調を改善しやすくなります。
栄養面では、食事から摂取するより消化吸収が良い、脂肪の摂り過ぎ防止の2つのメリットもあります。
ドリンクにして飲めるので、手軽に生活の中に取り入れやすいので継続もしやすいです。
ソイプロテインとホエイプロテインはどちらが良いの?
プロテインには、牛乳から作られたホエイプロテインと、大豆から作られるソイプロテインがあります。
産後の女性には、ホエイプロテインがお勧めです。
理由は2つあります。
1つ目は、ホエイプロテインの方が、「プロテイン酸スコア」(別名:アミノ酸スコア)がソイプロテインより高いからです。
プロテインスコアとは、「たんぱく質のバランス」のことを言います。
たんぱく質には、9種類の「必須アミノ酸」というものがありますが、この中の1つでも不足していると、たんぱく質のバランスが悪くなります。
ホエイプロテインは、その「たんぱく質のバランス」がソイプロテインより優れています。
ソイプロテインは、植物性のたんぱく質のため、プロテインスコアがそこまで高くありません。
2つ目は、ホエイプロテインの方が、ソイプロテインより消化吸収が早いです。
母乳でどんどん栄養が排出されるママさんの体には、ホエイプロテインの方がたんぱく質を効率的に摂取できるでしょう。
まとめ
産後のプロテインは、母乳にも、ママさんの体のためにもメリットが多いです。
プロテインを摂ることで、母乳が作られやすくなる、ママさんのたんぱく質不足による体の不調を改善しやすくなります。
プロテインの種類でも、ホエイプロテインが産後の女性にはお勧めです。
なぜなら、プロテインスコアが高く、消化吸収が早いからです。
今回のお話が、日頃より頑張っているママさん方のお役に立てたら幸いです。