「妊娠・出産」は女性にとって体に大きな負担のかかるイベントです。
妊娠中のママさんや、産後の方は、「どんな病気があるのか不安」と感じる人も多いでしょう。
今回は、産後に起こりやすい病気8つをご紹介します。事前に正しい知識を付けておくことは、病気の予防にもなるので、ぜひご覧ください。
産後ママがなりやすい病気
妊娠から産後を経た、ママさんの体は「全身にダメージを受けた状態」です。
そのため、起こりやすい病気は様々です。今回は、数ある「産後、心配される病気」の中で、よくなりやすい8つをご紹介します。
子宮復古不全
妊娠により大きくなった子宮が、産後も子宮の大きさが戻らなくなる病気です。
通常であれば、子宮は、産後約6週間で妊娠前の大きさに戻ります。
しかし、子宮復古不全は、子宮の収縮する機能がうまく働かず、元の大きさに戻りずらくなります。
すると、出血や悪露が長引きます。
症状は、鮮血(明るい血の色)の悪露が続く、血の塊が出ます。
放置すると、母体の体の回復が遅れる、感染症の原因となるため、早めに医療機関への受診をお勧めします。
膀胱炎、腎盂炎
産後に膀胱炎と腎盂炎になりやすい理由は2つあります。
1つ目は、出産後は、悪露により、陰部が汚染されやすいことです。
2つ目は、産後は、尿を出す力が弱くなっているため、膀胱内に尿が溜まりやすく、細菌が繁殖しやすいことです。
膀胱炎、腎盂炎の症状は、排尿時に痛みがある、残尿感が続く、発熱、腰から脇にかけて痛みが出ます。
予防には、日頃より、トイレを我慢せず、水分を意識してとりましょう。
腰から脇にかけての痛みを感じたら、症状が悪化している場合があるため、医療機関への受診をお勧めします。
乳腺炎
母乳を作る「乳腺」に母乳が詰まり、炎症を起こす病気です。
原因は2つあります。
2つ目は、乳頭(乳首の部分)から細菌が入り炎症が起きること。
症状は、乳房にしこりができる、赤くなり痛みがある、高熱が出ます。
予防のために3つを気を付けましょう。
- 乳汁(母乳)を溜め過ぎないようにしてください。
- 高カロリー、脂肪分の高い食事は避けましょう。
- 乳頭を清潔にして、キズが付かないようしましょう。
自己判断で放置するのは危険なため、専門機関への受診をお勧めします。
恥骨の緩み
「恥骨」は、尿道の前方部分にあります。
妊娠、出産で骨盤が緩むことで、恥骨が通常より動きやすい状態になります。
症状は、起き上がり、寝返り時に、恥骨に鈍い痛みがある、立ち上がる時に痛みが出ます。
産後は、徐々に骨盤が妊娠前の状態に戻ろうとするので、恥骨痛は、経過とともに痛みも軽減します。
しかし、症状が1年後も続くようであれば、専門機関の受診や、整体での施術で骨盤の状態を診てもらうといいでしょう。
痔
出産時のいきみで、痔になりやすいです。早期に回復するには、水分と食物繊維が多い食事を摂ることが有効です。
便秘や下痢は症状の悪化を招きますので、日ごろより食事と長時間の同じ姿勢を避けるようにしましょう。
妊娠高血圧症候群の後遺症
以前に「妊娠中毒症」と呼ばれていたものです。
症状は、むくみ、高血圧、尿にたんぱく質が出ます(たんぱく尿)。
自覚症状は、1週間に0.5㎏体重が増える、朝からずっとむくんでいる、頭痛、耳鳴り、めまい、ほてりを感じます。
妊娠高血圧症候群は、妊娠中期以降から起こり、産後も続く人がいます。放置すると、次の妊娠時にも再発しやすいので、医療機関への定期的な受診をお勧めします。
産褥熱
出産時にできたキズから細菌が入ることでおきます。
症状は、産後の発熱、悪露の異常、下腹部の痛みが見られます。産後24時間以降の、10日間内に、2日間以上の38度以上の発熱が続きます。
治療は、軽度であれば、軽い抗生剤の薬を飲むことで緩和します。症状が悪化している場合は、点滴での抗生剤投与が必要なこともあります。
産後うつ
産後女性の10~20%の方が発症すると言われています。出産から1~2週間後に発症すること多く、数か月から1年間ほどまでかかる場合もあります。
症状は、
・不眠
・集中力、意欲の減退
・感情の起伏が激しい
など多岐にわたります。
産後うつは、放置するのは危険です。本人の自覚症状がない場合もあるので、周囲のサポートがあるのが望ましいです。
まとめ
今回のお話は、産後に起こりやすい病気8つをご紹介しました。
いずれの病気も、体の回復を早めるために、健康的な食事や水分摂取、体を清潔にすること、休息をとることが大切ですね。
妊娠、出産を終えた女性の体は、全身にダメージを受けています。
「自分は大丈夫」という過信をせず、体も心も無理しすぎないよう周囲のサポートを活用してゆっくり回復していきましょう。
今回のお話が、「妊娠中や産後のママさんの健やかな体つくり」のサポートとなれば幸いです。